Saturday, November 26, 2016

加工された呼吸からナチュラルな呼吸へ

僕が瞑想を始めた頃は「すーっ」と音を立てて呼吸をしていた。
呼吸のスタイルを意識的に作り出していた。

ある瞑想の本にも「気持ち良い呼吸がベスト」というようなことが書かれており、それを実践したのだ。

これには癒しの効果がある。
そして、呼吸がやや大きくなるので、意識を向けやすくなる。とても良いやり方だと思う。

だが最近は、瞑想中の呼吸を「ナチュラルな方法」に切り替えた。
あえて呼吸のやり方を加工することなしに、体が自然に呼吸するのに任せているのだ。
無加工の呼吸。自然発生の呼吸だ。
この場合、呼吸はより小さく、穏やかになり、より微細になる。

なぜ僕が呼吸の方法を変えたかというと、直接的な癒しの効果よりも、瞑想における集中レベルを重視したいと思ったからだ。

呼吸を無加工にすると、それが微細になる分だけ、注意を向けるのはやや難しくなる。
瞑想の難易度が上がった感じだ。でも、だからこそ集中力の訓練になると思った。

ナチュラルな呼吸は本当に、あやうく気づかないほど微細だ。
でも「頭の名で起こる大きな妄想」よりも、その「微細な呼吸」に集中できたなら、本当に集中できていることの証明になる。
つまり、自分が集中できているかできていないかをより判別しやすくなる。

ちなみに最初に呼吸の仕方をナチュラルに切り替えた時は、直接的な体の癒しが感じられなくなって、戸惑いを感じた。ぜんぜん気持ち良くないのだ。
あとは呼吸の感覚が1/10ほどに弱くなって、集中しづらさ、なんとなくやりづらさを感じた。

だけど今では、よりストイックに「ナチュラルな呼吸」「手を加えない呼吸」での瞑想を実践している。

これは「どちらが良い」「どちらが正しい」ということではないと思う。
なぜなら、瞑想の本質は注意を向けることであり、たとえ「意識的な呼吸」をしていたとしても、注意を向けること自体は実現可能だからだ。

ただ、個人的な感覚でいうと、瞑想の難易度が違ってくる。
より集中力に対して効果が高いのは「難易度が高い方」だと思われる。




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